どこが特注なのか?

以前、ご相談者のお宅にお邪魔した時の話です。

ご相談者のお宅には、車椅子をご利用になられている、ご友人が同席されており、ご紹介していただきました

一緒にお話をしている中で、ご友人の車椅子が特注で出来たばかりという話になり、私の悪い癖でついつい真剣にその車椅子を見てしまったのですが…

どこが特注なのか?

どこがそのご友人に合わせて作られたのか?

まったく私には感じ取れません。

私のご相談者は、私の事をよく理解していただいている方です。

ご相談者には、以前きちんと車椅子のセッティングしてあげて、こんなに違うものなのかという実体験をされており、私の様子を感じとられて「野中さん、変だと思っているんでしょ?セッティングしてあげてよ」と。

ご友人の方は、背骨が緩やかにS字の様に曲がっている方でした。

「座り心地に違和感はないですか?」と、お尋ねしたところ特にないとの事。

私のご相談者は、「今まで何台も作ってもらってきた車椅子が、全て同じような仕上がりだったので、違和感が有っても、本人は気付かないのよ。仕方ない物だと思い込んでしまってるから…。」とご友人のフォロー。

私は、この日はセッティングの予定がある訳でもなく、何も用意して来ていません。

ある物でするしかないのでどんな風になるか、試してみますか」と話して、ご相談者のお宅にあるものをお借りして、ご友人の特注車椅子のセッティングを行うことにしました。

セッティング後、ご友人は涙を流されていました。

ご相談者からは「ねっ☆違うでしょ?」と。
後日、ご友人にはこの日のデータを元に、きちんとセッティングしたモノを作り、届けることになりましたが、、、

私は言いたい!

どんなに立派な車椅子を作っても、どんなに素晴らしい車椅子を作っても、身体に合ったセッティングが出来なければ意味がない!役に立たない!

ご友人の車椅子の製造元は、関東では有名な車椅子メーカーのひとつです。

どこの車椅子メーカーでも、障がいに合わせた車椅子を作ると、カタログやホームページで宣伝しています。

本当に~?

頼むから、障がいを持った方に少しでも快適に乗れる車椅子に仕上げてから納めて欲しい。

私のやっているセッティングの仕事が無くなっても構わないから。

※アイキャッチ画像に使用した写真は実際の特注車椅子とは異なります。

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