元気になると言ったのは私だけ

元気になると言ったのは私だけ

野中清次のFasebook、2015年4月15日の投稿より

おはようございます。

今日は、以前した私のご相談者の話を覚えてられていたお客様からのお電話で、85歳のお母様が大腿骨骨折で入院されているとの事。

医師からは、「歳も歳だから寝たきりになってしまうかもしれない」と言われたそうで、車椅子のセッティングだけでもして欲しいということで、入院先の病院まで行ってきました。

その以前したというご相談者のお話というのが…

図面通りに作ったらダメになる…

片麻痺、胃瘻 寝たきりの状態で一年入院していた方から、突然、私の所に、メールと図面が届いた。

これを作って欲しいとの事。

私は、すぐにご本人にご連絡を取り、図面の物を使う方はどなたかお聞きした。

するとお母さんだと。

「お母さんを元気にしたいのですか? それとも、寝たきりにしたいですか?」と尋ねたところ、もちろん元気になって欲しいとの事。

「図面の物を作って使っていたら、寝たきりになってしまいますけど。もしよろしければ、お母様が車椅子に乗っている姿の写真を送っていただけませんか?私なりに考えたものを作ってみますが?」

と、お伝えした。

数日後に写真が届き、ゆっくり見せてもらった。

これではダメだ、図面通りに作ったらダメになる。

そこで「ご家族が元気にしたいと思う心が有れば、元気になると思いますよ」とメールをさせてもらった。

ダメでもともと

翌日に連絡がきて、ご主人と相談されたそうで"元気になる"と、言ったのは私だけだと。

それで、ダメでもともと。野中さんに頼ってみようと決断されたそうだ。

私は、「分かりました。私なりに考えたものを作って送るので、使ってみて下さい。もし良くなければ、お金はいりませんので」と伝え、図面とは違った物を作って送った。

図面の物は、担当の医師・医学療法士・リハビリの先生・ケアマネージャー・ご家族を含め、話し合った中でその形になったということだった。

連絡が有り、私の作った物をみて、「この方が良い」と皆さん言ってくれたそうだ。

もう起きられないかも…

それから、私とご家族の作戦会議。私の解る限りの方法を一つ一つ詳しく説明した。

初めの頃は週一で連絡してもらい、どんな状態かを確認しながら、日常生活の中に筋トレになるような事を色々伝えていった。

そんな中、介護をしている最中、ベッドの上に手が滑り、過って落としてしまい、お母さんが太腿の骨を折ってしまわれたと泣きながら電話をもらったことも。

リハビリの先生や医師に、「もう起きられないかも」と言われ、私の所に謝りながら話をされるのだが、

「なぜ起きることが出来ないのか分からない?」と

「今まで努力してきたことを、思い出してほしい」と

「絶対に寝たきりにはならない」と私は伝えた。

そして、寝た状態でして欲しい事だけ伝えて、ご家族には骨が繋がるまで私の伝えた事をやり続けてもらった。

お母さん立ったよ☆

ある日、リハビリの先生がそろそろ立つ練習をしましょうと立たせようとしたところ、お母さんはすっと立ち上がったそうだ。

リハビリの先生も、今までこんなお年寄りは見た事が無いと言っていたそうだ。

それを見てすぐに「お母さん立ったよ☆」と嬉しそうな声の連絡があった。

「立つの当たり前でしょ、今までお母さんのためにどれだけ努力してきたの?」と伝えた。

その後、お母さんは片麻痺ではあるものの、晩酌を楽しみ、国内・海外旅行にとご家族と楽しんでられているとのことだ。

娘さんは「これだけの介護経験をしたのだから、ヘルパー二級の資格を取って訪問介護のパートでもしたらいいよ。」と、私が冗談で話していたら、本当に資格を取られ、藤沢でお母さんの介護をされながら働いてられているとのこと。

医師からの紹介で雑誌の取材が来たり、リハビリの先生からも本に書きたいとか、お願いされているとの事だが、「野中さんがいなければ、意味が無い。」と、全て断られているそうです。

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